放射能を浴びた[X年後]

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推薦コメント

知らず学ばず、 忘れたふりして、燥ぎ過ぎた平和と繁栄の中を生きてきた日本は、
3.11と共に壊滅した。今こそ僕らは正しい日本の未来を手繰り寄せるためにも、
例えばこの「X年後」を見なければ、体験しなくてはならない。積年のテレビ番組を
注目してきた僕としては、今、その映画化の成果を、諸手を挙げて応援します。
これは貴重な日本と日本人の記憶です……

――― 大林 宣彦(映画作家)


放射能汚染の歴史は深くて広い。
その途方もない裾野を分け入って、曖昧な被ばくの実態を丁寧にあぶり出していく、、、
そのプロセスがドキュメンタリーの神髄だ。
本作には東京電力福島原発事故以後を生きる私たちにとって
非常に重要なメッセージが含まれている。
体制や権力の側がやろうとしてきたことの本質がここにも現れているからだ。
被ばくについてだまされないために踏みにじられないために、
何ができるか、この作品は問いかけてくる。

――― 鎌仲 ひとみ(映画監督)


私がこれまで観たドキュメンタリー映画の中でも1、2を争う作品です。
自分はこれほど何も知らなかったのかと思いました。
できるだけ多くの人に観てもらいたいと思います。ぜひ!!

――― 斎藤 貴男(ジャーナリスト)


久々にドキュメンタリー映画の真実を手繰る力の確かさに衝撃を受けた。
第五福竜丸も、チェルノブイリも、フクシマも見えない負の絆でつながっている。
それは生命の尊厳を冒涜する絆にほかならない。
人類はその絆を消滅させるために英知を結集しなければならない、と考えさせられた。

――― 志茂田 景樹(作家)


衝撃を受けました。
よくぞ撮ってくれたと思いました。大変なご苦労だったと思います。
ついこの前のことなのに、我々はすっかり忘れていた。又、忘れさせられていた。
同じことを何度も何度も繰り返すのか。アメリカに、こんなにひどい目にあわされて、
それでも、アメリカにすがりつこうとするのか。我々は目をさます必要がある。
全国民に見てほしい。そして明日の日本を考えてほしい。
とても勉強になりました。

――― 鈴木 邦男 


"おらんちの池"を返せ!
土佐のよさこい節じゃないけれど、南洋はおらんちの池だ。
その南洋の海をヒロシマの原爆の千倍の核実験で大破壊した奴がいる。
何百人の遠洋漁民が被爆して死んだ。日本は海で生きてきた国じゃないか。
日本国は海を棄てるつもりか。
現代のジョン万次郎たちの命を、海の底で死んだ数えきれない生き物たちの命を返せ!
おらんちの海を返してくれ!

――― 早坂 暁(作家・脚本家)


「過去の不当な暗黒に学んで、その暗黒を切断することによって、
まともに明るい将来を望める。国際連合の五つの常任理事国は、
すでに万を単位とする核爆弾を所有している。
人類のみじめな自滅を防ぐには、人類みんなで、何をしなければならないか、
何をしてはならないか、映画「X年後」はそのための切実な歴史の証言だ」

――― むの たけじ(ジャーナリスト)


放射能は見えない。
匂いもないし音もない。もしも被曝しても痛みはない。症状もすぐには現れない。
だから怖い。気づけない。そして馴れてしまう。
今からおよそ60年前、第五福竜丸の乗組員たちが被曝した。それは史実。
でも史実はひとつではない。
見えなくてすぐには症状が現れないからこそ、長い観察が必要になる。
この映画はとても重要な視点を僕たちに提供する。
まずは観てほしい。そして考えよう。
3・11を経過した今だからこそ、僕たちは何を為すべきなのかを。

――― 森 達也(映画監督・作家)


ひとりの誠実な高校教師が不誠実な日本とアメリカの政府に対して抗議行動をしている。
その映像は、かのビキニの水爆実験は一回ではなくて105回、
被害は第五福竜丸だけではなく同時に出漁していた何百人の船員たち、
さらには日本全土が放射能の被害を受けていたという恐ろしい事実を観客に伝え、
この誠実な高校教師を絶望させてはならない、と静かに訴える。

――― 山田 洋次(映画監督)


【日本映画ペンクラブ推薦】

≪推薦理由≫ “X年後”推薦の辞

戦争を知らない世代の私にとって『核―広島、長崎』はそんなに身近に感じられるものでなかった。
私にとって“放射能の恐ろしさ”は「ビキニ環礁でアメリカの水爆実験で被爆した『第五福竜丸』」だった。
だから映画で宇野重吉が演じた“久保山愛吉”さんのケロイドが幼い私の恐怖の因だった。
それから大人になってもビキニの被爆問題はショッキングな『第五福竜丸』だけに矮小化されていた。
この“X年後”を観て何故四国愛媛の「南海放送」の制作者がビキニの被爆問題を映像化したのか不思議に思った。
全く自分の不勉強さの証左であったわけで・・・
昭和20年代後半南太平洋には日本全国のマグロ漁漁船が多数出漁していた。
当たり前のことだが、「被爆したのは『第五福竜丸』だけではなかった。」わけ。
さて、私が特に個人的にこの映画を推薦したいのは、監督がローカル民放局のディレクターであることだ。
民放に身を置いた者としては民放特にキー局が最近ほとんどドキュメンタリーを制作しなくなった事、
それは悲しい現実であるそんな困難な状況で良質のドキュメンタリーに出会うことは至福である。
今や映像でも、音声でもドキュメンタリーを担っているのはローカル局の心ある制作者だけであるといっても過言ではない。
レイティング至上主義のキー局が束になってもかなわない志のあるドキュメンタリーを熱烈に支持するものである。

日本映画ペンクラブ会員・元ラジオディレクター
柳澤 和三



【カトリック中央協議会・広報推薦】

≪推薦理由≫

「東日本大震災」による福島第一原発の放射能事故から1年半。
深刻な健康被害、環境汚染、被災地住民への言われなき差別は、いまだ終息のきざしすら見えず、
被災者を先の見えない苦しみに突き落としている。この甚大な放射能汚染に遡ること57年前の1954年。
南海のビキニ環礁で、アメリカによる水爆実験が5回にわたり行なわれた。

これについては第五福竜丸の被ばくが有名だが、ほとんど知られていないもう一つの被ばくがあった。
この海域で何も知らず操業していたマグロ漁船や貨物船の乗組員が「死の灰」を大量に浴びていたのだ。
本作品は高知県を拠点に、歴史の闇に埋もれていたまぐろ漁船員の被ばくの実態を調査してきた
高校教師と生徒たちの活動を知った南海放送のテレビマンが、8年にわたって過去の放射能被害と
関係者のその後、日米両政府の間で交された「機密文書」を掘り起こして検証した、驚くべき歴史の真相である。
「死の灰」を浴びた働き盛りの海の男たちが、40代、50代の若さでガンや心臓疾患によって次々に亡くなっていく。
焼き場で夫の遺骨を拾った妻の証言、「他の人の骨はすっきり残っちょるけん、うちのお父さんのは
ぐちゃぐちゃになっとった」には戦慄を覚える。

こうした恐るべき放射線被害に対してアメリカは、200万ドルの賠償金で日本政府を黙らせる。
漁業組合に渡された見舞金も「まぐろの町・高知」の漁業振興のために使われ、遺族のもとには入らなかったという。
そして汚染されたマグロが堂々と日本の家庭の食卓に上り続けていたという驚愕の事実。なぜ声を挙げなかったのか。
「あんたら今、こんな時代じゃけんそんなことを言えるが、(当時)ひとことでも言ったらここでは生きていけんじゃった。
あん時代、日本は石炭とさかなで立て直すほかなかったけん」、敗戦後まだ9年、「日本が(赤ん坊のように)やっと
つかまり立ちした頃じゃけん(何も言えなかった)」、「いっつの時代も損をするのは弱い者ばっかりよ」。
夫を亡くした妻たちのこれらの言葉は、現代の評論家先生の「高説」よりはるかに正鵠(せいこく)を突く。

ささやかな幸せや安全な自然環境より、経済や効率、スピードを最優先するその構図は、福島第一原発の放射能汚染に
呻吟する福島の人々の苦しみとオーバーラップする。腰を据えて日本の座標軸を構築しなければならない今、
本作品はその基礎資料ともなる必見の映画である。

以上の理由から、ドキュメンタリー映画「放射線を浴びた『X年後』」をカトリック中央協議会・広報として推薦します。




一般感想

え〜!!何も知らされていない。
日本とアメリカの密約がいつもいつも国民に知らされない。
私たちは、もっともっと追究したり発言をしていかなくてはいけないですね。
これからのために、今、何が出来るのか? ―――女性
日本はもっと、人が大切にされる国になってほしいです
3.11で日本は状況は変わりました。
過去を様々に検証することでしか進む道は見つけられない気がします ―――男性
口封じをされてきたんだなぁ。
そうしなければ生きられない時代だった。
知らない人が多すぎるし、知らされてこなかった日本国民。恐ろしい ―――女性
すごいドキュメンタリーでした。
私たちは被害者であり、実験動物であり、でも歴史を生きている人間であるということを強く感じました ―――女性
日本国全体が死の灰にすっぽり覆われていたことがわかる。
ゾッとした。私自身もその灰の下で暮らしていたのだ ―――女性
驚いた。国家によって封印された事実に腹が立つ。
<立場の弱い者が犠牲になる>という言葉が心に残った。
国が責任を持って国民の健康・将来を守れるよう、
我々一人ひとりが【知ること】が大切だと思った ―――男性
国の政治的な理由で真実が隠されてきたこと、
静かな怒りを感じます。自分に何ができるのか考えていきたいです ―――女性
沢山の船が被害を受けていることを知り、愕然としました。
国は今も昔も変わらずにいるということに大変悲しく思います ―――女性
日本人として知るべき事実である。
一番弱い人間に<しわ寄せ>がくる社会を続けるべきではない ―――女性
この事実は、我々の記憶からこのまま消されてしまうことは耐えられません。
世界にこの事実を知らしめ、世界の人々の記憶に世代を超えて刻んでいく必要を痛感しました ―――男性
真実は「その時」は隠されている。
多くの時を経て、多くの犠牲者が出て、やっと、少しだけ明らかになる。
この映画の最後の言葉は、深く心に刺さりました ―――女性
人が人としていきてゆく根幹の生存までもが、いま、壊されているのではないか。
人類は取り返しのつかない領域にまで踏み込んでしまったのではないか ―――女性
知らなかった―これは自分の無知か、と思ったが、ちがう。
調査を続けた先生と生徒たち、南海放送、ポレポレ東中野…
日本の良心と勇気に力が湧いてきます ―――女性
この映画によって、歴史の暗部に小さな灯りが灯されたと思います。
ここまで踏み込まれた勇気に感銘を受けました ―――女性
 
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